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審議拒否とその理由 ― 野党は「審議したフリ」をすべきではない

野党の審議拒否に対して、与党からの批判が強い。

(私は決済したデータを書き換えるほうが恥ずかしいとは思うが、それは個々人の認識の違いだろうか)

 

さて、考えていただきたいのは、なぜ国会が開いているか、だ。

 

答えを言うと、開いたからだ。別に禅問答ではない。委員長が開いたから開いたのだ。

 

審議拒否については一旦置いておこう。

野党に批判的な方々は、そもそも今委員会を開催する必要があると考えているだろうか。

なぜ今ここまで国会が紛糾しているかといえば、それは財務省のデータ書き換えや財務省の改ざんなどがあったからだ。

これが問題であることは、ほとんどの人が認識を共有しているはずだ。

 

しかしながら、現状、その改ざんの実態はほとんど明らかになっていない。例えば財務省のデータ書き換えに関しては、元の間違っていないデータがまだ出ていない。

更に、防衛省の日報問題などについても、調査中のまま全く実態は明らかになっていない。

 

一般企業の会議で例えると、会議で出したデータが間違っていた。しかし、元のデータを出す気はなく、「明日また会議をやります」と言っている。

それは果たして効果的な会議のあり方だろうか。

 

そもそも、行政府の信頼を揺るがしている問題に対して、与党が未だ何ら有効な打ち手を打てず、一体何が真実で、何が嘘なのかがわからない状態を放置していることが異常であり、この状態のまま国会をやったところで、何ら有効な成果が出ないであろうことは容易に予想される。

なぜならば、そもそも野党が要求していることは「データ出してください」「ちゃんと証言してください」「ちゃんと調査してください」というレベルのことで、それは国会で審議するのではなく、行政府が責任を持って行うべきことだからだ。

一言付言しておくと、私は要求の中に麻生大臣の辞任を入れたのはあまり筋が良くないとは思っている。失言製造機と化した麻生大臣が辞任しないのは全く不可思議ではならないが、国会が正常でないことのほうが重大であるからだ。

 

私は空回しは日本の国会システムにおける最大の無駄であると考えている。しかし、その責任は開いている方にある。だって野党は出ないって言っているのだから。

柳瀬さんを証人喚問でもしておけば交渉の余地が出来る。更に言うなら、法案を先送りすればこの無駄な時間を過ごす必要もない。

しかしながら、政府与党は働き方改革法案の審議を優先させるため、国会が空転させることは承知の上で、総理と副総理を二時間も何もせずに国会に縛り付けているわけだ。

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いまわざわざ国会を開きたい人は、一体何を審議したいというのだろう。ハリボテのデータと、記憶を無くした人たちの答弁と、調査中で何も言えないという官僚の報告を聞きたいのだろうか。

いくら国会マニアといえど、そんなものは辟易とするはずだ。

 

 

データが正確ではない、資料も出てこない、誰もが記憶をなくしている。そんな国会審議は、単なる審議ごっこにすぎない。やる必要がない。野党が出席しようがしまいが、既に国会は壊れている。

野党が出席していなければ「なにかおかしい事が起こっているな」と国民は思うだろう。まあ、「野党がサボっている」と思う人もいるかもしれないが、それは仕方ない。唯々諾々と審議に応じていれば、立法府は正常に機能していると誤解されてしまう。

今野党がやるべきなのは、国会にお行儀よく出席して「資料を出せ」「調査中だ」などという噴飯物の国会ごっこをするのではない。国会が壊れていて、機能していないことを、国民の多くに共有することではないだろうか。

 

税金泥棒は、一体どちらなのだろうか。