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加計学園問題のまとめ。総理の友人に対する私的便宜?

*当初「法律」と記載してたものの、獣医学部の設置自体に関しては文科省の告示の改正であるので、「制度改正」と訂正した。

http://eic.obunsha.co.jp/resource/viewpoint-pdf/201702.pdf

 

加計学園問題は、戦後史に残る種類の汚職疑惑である。もちろん、金額や規模で言えばロッキードやリクルートの方が大きいかもしれない。

しかし、この問題は「一民間の学校法人のために、制度改正を行った」という、極めて異例のデュープロセスを取っている。

 

 

玉木議員の答弁 

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玉木議員 文科省から、「総理の意向と聞いている」と言われた文章を作成し、幹部の間で共有されたと聞いていますが、大臣いかがですか?

松野大臣 ニュースに関しては新聞で読みましたが、文章自体に関して具体的にどういった種類の文章かと分かれば確認したい。

 

玉木議員 文科省の関係者が認めた事実はありますか? 

松野大臣 その文章も含め確認していない。

玉木議員 手元にあるが、かなりのことが書かれている。

 

www.asahi.com

 

発端は、朝日新聞のスクープだろう。

安倍晋三首相の知人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、文部科学省が、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった。

 

この文章の真偽は分からない。しかし、かねてより述べてきた、明らかな事実が2つある。

  1. 安倍総理大臣と加計孝太郎理事長は、極めて近い関係にあること
  2. なぜ今治に獣医学部が必要で、特定の学校法人にのみ規制緩和するのか、政府が全く説明していないこと

である。

 

安倍総理大臣と加計孝太郎理事長

安倍総理と理事長の関係については今更述べるまでもないだろう。 

福島みずほ議員と安倍総理大臣の答弁

www.youtube.com

 

福島みずほ議員 加計学園の理事長がここで獣医学部をつくりたいと思っているかどうかをあなたが知っていたかどうか、総理が知っていたかどうかを聞いたわけです。二〇一六年、七回食事やゴルフをしています。その前、二〇一四年六月から二〇一六年十二月まで、二年半の中で十三回食事などをしています。
 長年の友人じゃないですか。極めて長年の友人です。だからお聞きをしているんです。政策がゆがめられているんじゃないかという質問です。


 獣医学部の新設を国家戦略特区が決めます。「かねてより準備を進め具体的提案を行ってきた自治体を中心に、具体的プロジェクトとして、実際の獣医学部の立ち上げを急ぐ必要があり、そのための規制改革、すなわち関係告示の改正を、直ちに行うべきである」という国家戦略特区の決定です。

 この具体的提案を行ってきた自治体というのは今治市ということでよろしいですか?

 

安倍総理大臣 これ、担当大臣を呼んでいただけますか。山本さんが担当大臣なんですよ。ですから、山本さんを呼んでいただかなければ、私、それお答えのしようがありませんよ。詳しく私存じ上げませんから。これ、所管外ですから、今、私お答えできませんよ。

 

福島みずほ君 でも、その加計学園の理事長と非常に懇意にしていて、十一月九日の日に今治市なんですよ。獣医学科を決める、そして構造改革特区にずっと愛媛県と今治市はこの獣医学科の選定、やってくれということを言っています。
 だから、二〇一〇年、日本の獣医学会はこれに反対の声明を出しています。それは、こういう中身です。
 日本獣医師会、二〇一〇年八月五日付け声明。
 特区提案による大学獣医学部の新設について批判をしています。高度専門職業養成の責を担う獣医学教育課程が特区に名を借りた地域おこしや特定の一法人による大学ビジネス拡大の手段と化すようなことがあってはならないというふうに言っているんですね。
 そして、ここの中身は、もう今治市、加計学園というふうに名前がもう既にずっと出続けているんですよ。
 総理、なぜ急転直下、国家戦略特区によって獣医学部新設、そしてこの大臣告示を規制緩和する、まさにそこで発言をされているからこそ聞いているんです。特区の議長じゃないかですか。

 

安倍総理大臣 福島さんね、特定の人物の名前を出して、あるいは学校の名前を出している以上、何か政治によってゆがめられたという確証がなければその人物に対して極めて失礼ですよ。の学校で学んでいる子供たちも傷つけることになるんですよ。

 まるで私が友人であるから、何かこの特区、あるいは様々な手続について、何か政治的な力を加えたかのごとくの今質問の仕方ですよね。それ、あなた責任取れるんですか、これ全く関係なかったら。

 

 まず、申し上げましょう。今、恐らく週刊誌を基に言っているかもしれませんが、例えばこれが、今治市がただで提供されたということについて、これおかしいだろうと、週刊誌ではありますが、二十年の間に二十五例あるんですよ。二十年の間に二十五例あって、これはただで土地が譲渡された例ですね。土地がただで貸与された例はこれ以外にもっとあるんですよ。

 

「かねてより準備を進め具体的提案を行ってきた自治体を中心に、具体的プロジェクトとして、実際の獣医学部の立ち上げを急ぐ必要があり、そのための規制改革、すなわち関係告示の改正を、直ちに行うべきである」

というのは、当然、加計学園を特定したとしか考えようがない。加計学園は、構造改革特区時代から何度も、今治市とともに申請をし、断られてきたからだ。

更に、わざわざその後「獣医学部の設置されていない地域」と特定すれば、当然これに応募できるのは加計学園以外に存在しないだろう。

(ちなみに、「山本さんを呼んで下さいよ」と言ってる割に、総理はやたらと詳しい。十分ご存知のようだ)

 

京都産業大学と加計学園

また、下記は、先日のエントリの引用であるが、京都産業大学が、加計学園よりも優れた提案をしていたのではないか?という指摘だ。

www.yomu-kokkai.com

 

www.youtube.com

京都産業大学獣医学部設置構想について

木内孝胤議員 存在しない地域に、ということで、空白区に限定しているわけであります。三校が提案しているところで、京都産業大学を締め出すようなルールの変更をしたのか、理由についてお聞かせいただければと思います
山本幸三大臣 いまご指摘された事項は、いずれも慎重な意見が根強い中で、いち早く規制緩和を実現するために定めていったものでありまして、そういった批判は当たらないと考えております。 
 
木内孝胤議員 京都産業大学は1989年に生物工学科を設立して、2006年に鳥インフルエンザセンターを設立、2010年に動物生命医療学科を設立しています。京都という地の利を活かして、iPS細胞との連携もしている。
今から設立を目指しますという学校と、これだけ出来上がっていて、設立場所も決まっている学校。パンデミック対策はとても大事なんです。ここまで不可解な形で京都産業大学が締め出されているというのは、全く説明責任を果たしていないと思っています。今治市における国家戦略特区に関しては、「一校だけ」「獣医学部がない場所」という極めて限定的な規制緩和を行った時点で、恣意的な運用がなされているのではないか?という疑念が生じる。

 

獣医学部にふさわしい学校は、加計学園の他にもあったのだ。その点で、なぜ四国に?今治に?という疑問に対して、納得の行く説明はまったくない。 

さらに、広島・今治は「観光・教育・創業などの国際交流・ビッグデータ活用特区」である。獣医学部とは何も関係がない。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/dai18/shiryou2-1.pdf

そもそも、「一校だけ」、しかも四国という限られた地域に付与するとなれば、以前から何度も申請してきた加計学園くらいしか申請できないというのは予期できるだろう。

そうすると、これは特区というより特定の学校法人に対する利益供与でないか、とすら疑われる。

だからこそ、「なぜ京都産業大学ではなかったのか?」という疑問に対して、政府は明確に答える必要がある。 

加計学園問題は「究極の汚職」である

 戦後、様々な形で汚職事件があった。リクルート、ロッキードなど、大きな金額が動くものも存在した。

しかし、加計学園問題は、ある種これまでの事件と比べても異質で異様である。

 

それは、最初に述べたとおり、「民間の一企業のためだけに新しい制度を作り、特定の地域にのみ規制緩和を行った」というスキームだ。

法の抜け道を利用した…のではなく、完全に合法なスキームなのだ。

 

しかし、先に述べたとおり、今治市の国家戦略特区は、「一校のみ、四国のみ」という、実質的には加計学園のみを対象にした規制緩和である。 

「かねてより準備を進め具体的提案を行ってきた自治体を中心に、具体的プロジェクトとして、実際の獣医学部の立ち上げを急ぐ必要があり、そのための規制改革、すなわち関係告示の改正を、直ちに行うべきである」

という点は、明らかに、加計学園をイメージしているだろう。

 

国は、わざわざこのように、岩盤規制とまで呼ばれた規制を、総理の友人であるというだけで、特定の一企業に緩和したのだ。

更に、玉木議員の文書によれば「総理の強い意向」と、「何年何月までに実現」というタイムスケジュール付きで。

 

国家戦略特区とは一体何だったのだろうか。それは、単なる特定法人への利益供与ではなかったのか。国の説明を強く求めたい。