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尾崎行雄(咢堂)、バーバラ・リー、オットー・ヴェルス…政治家の栄光なき名演説

尾崎行雄(咢堂) 

尾崎行雄

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「憲政の神様」「政界の麒麟児」と呼ばれ、あまりにも偉大な政治家である尾崎行雄。

尾崎は、日本が日中戦争の泥沼に引きずり込まれる直前、「正成が敵に臨める心もて我れは立つなり演壇の上」と言って2時間の大演説をぶった。

 軍備はいかに充実しても国防は危うくなるということもあります。なぜならば軍備は自分だけのことである。国防というものは相手のあることでありますから、われが充実する以上にかれが余計充実すれば、比較的に国防は危うくなるのであります。これを区別してお考えを願い、また計画を立てて頂きたい。

(引用)http://ishidat.blog20.fc2.com/blog-entry-360.html

彼は常に憲政の常道に立ち、軍部の増長に反対し、翼賛政治に反対した。その後、不敬事件で有罪(二審で無罪)になりながら、戦後も議員として活動し、なんと94歳まで衆院議員であり続けた。もちろんこれは、日本で最年長の記録である。

 

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欧米にあっては討論数各夜にわたるべき大問題も、我が国においては数時間以上の討論を許さず、賛否の議論、いまだ半ばに至らざるに当たって、討論終結の声、既に四方で沸く、
我が衆議院は衆議院にあらずして表決院なり、我が国には表決堂ありて議事堂なし。

枝野幸男議員がこの討論を引用したことでも知られる。

 

民権闘争七十年 咢堂回想録 (講談社学術文庫)

民権闘争七十年 咢堂回想録 (講談社学術文庫)

 

 

バーバラ・リー

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バーバラ・リーは、全米で最もリベラルなバークレーで選出された上院議員であり、2001年、大統領への軍事権限の付与に、連邦議会でたった一人反対した上院議員でもある。

彼女の正しさは、イラク戦争の泥沼の失敗で証明された。 

1964年、連邦議会はリンドン・ジョンソン大統領に攻撃を撃退しさらなる侵略行為を防ぐために「あらゆる必要な手段をとる」権力を与えました。
本議会は憲法上の責任を放棄し、長年にわたるベトナムでの宣戦布告なき戦争へとアメリカ合衆国を送り出したのです。

トンキン湾決議にただ二人反対票を投じたうちの一人であるワイン・モース上院議員は言明しました。

「歴史は我々がアメリカ合衆国憲法をくつがえし、台無しにするという重大な過ちを犯したのだということを記録するであろうと私は信じる。次の世紀のうちに、将来の世代の人々はこのような歴史的な過ちを現に犯そうとしている連邦議会を落胆と大いなる失望をもって見ることになるだろうと私は信じる」

モース上院議員は正しかったのです。私は今日、同じ過ちを私たちが犯しているのではないかと恐れています。

そして私はその結果を恐れています。私はこの投票をするのに思い悩んできました。

しかし私は今日、ナショナル・カテドラルでのとてもつらいが美しい追悼会の中でこの投票に正面から取り組むことにしたのです。

牧師の一人がとても感銘深く語りました。

 

「私たちは行動する際には、自らが深く悔いる害悪にならないようにしましょう」

 

 ありがとうございました。

(引用)http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5b4538e4ded14cbcb148d863afc1e373

 

オットー・ヴェルス

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/29/Otto_Wels.jpg/200px-Otto_Wels.jpg 

By Unknown (Bain News Service, publisher) [Public domain], via Wikimedia Commons

 

オットー・ヴェルスは、ワイマール共和制の社会民主党の政治家で、ヒットラーが第等し続ける中、強硬にストライキなどで議会政治を守ろうとした。

ヴェルスは、全権委任法(授権法)に反対演説を行ったことで知られる。

この歴史的な瞬間に、我がドイツ社会民主党は人道、正義、自由、そして社会主義の原理に誓う。全権委任法が諸君らにこの永遠不滅の思想を破壊する力を与えることはないと…ドイツ社会民主党もまた、この迫害から新たな力を得るだろう。我々は迫害され服従させられた人々、国内の同志たちに声援を贈る。彼らの不動と忠誠は称賛に値する。彼らが忠誠と信念を維持する勇気は、輝かしい未来を保障する。

 

君たちは我々の生命と自由を奪うことができる。しかし、我々の名誉を奪うことはできない。

ヴェルスは大戦前にパリで亡くなったが、社会民主党は戦後に復活し、今も二大政党の一角として勢力を残している。

 

 正しかった政治家達

栄光なき演説は、歴史を変えなかったかもしれない。しかし、その生き方こそは、高背の我々に何かを訴えかけてくれる。

我々は歴史の岐路に立った時、果たして正しい選択が出来るのか。それが問われている。