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民主党政権とはなんだったのか

民主党政権の批判とともに、今後の議会政治のあり方を考える

 民進党が批判される時、そこには必ず一つのキーワードが語られる。つまり「現実的な野党が欲しい」「他に選択肢がない」ということである。そしてその理由としてあげられるのが民主党政権だ。
多くの国民は未だに民主党政権に対して極めてネガティヴなイメージを抱いている。では、民主党政権とは一体何だったのだろうか。

 

 

民主党の三代政権

鳩山内閣は見込み違いの内閣だった。

Newspapers of Japan 20090831

  • 総理大臣 鳩山由紀夫
  • 官房長官 平野博文
  • 財務大臣 藤井裕久 → 菅直人
  • 外務大臣 岡田克也
  • 在任期間 266日

民主党を資金的に援助し立ち上げたのは鳩山家であり、鳩山一郎の直径である鳩山由紀夫は民主党が誕生した時から、政権交代の暁には総理大臣になる宿命を持って生まれてきた存在だった。
しかし、アメリカと対等な交渉を試みるも、県外移設には失敗し、口蹄疫問題でさらに支持を落とし、最後は金銭スキャンダルで、参院選を前にして鳩山政権は幕を閉じた。

 

菅内閣は試練の内閣だった。

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菅内閣は、誕生した当初に参院選に敗れ、ねじれ内閣として誕生した。
菅内閣は3.11を経験した内閣である。その対応の成否はあれど、日本史上でも最大級の危機であったことは疑いようもない。


その中で閣僚の失言(松本龍の最悪の発言から、『死の街』報道なども含め)や、スキャンダルが勃発し、危機管理が徹底的に非難された。

法案成立率は4割を切り、野党自民党の徹底した抵抗にあった。


やがて菅降ろしが始まり、TPP参加の方向性などもあって小沢一郎との確執もあり党内は大混乱に陥った。

  • 総理大臣 菅直人
  • 官房長官 枝野幸男
  • 財務大臣 野田佳彦
  • 外務大臣 岡田克也
  • 在任期間 452日

野田内閣は手足をもがれた内閣だった

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野田佳彦はスタートの段階で既に選挙管理内閣に近かった。度重なる閣僚のスキャンダルに見舞われ、支持率は低迷した。また尖閣問題でも対応は迷走した。


三党合意に踏切り、自民党・公明党とともに消費税と社会保障の一体改革を行ったことは功罪あれ日本の憲政史上例を見ないことだった。


しかし、日本国民のほとんどはそれを野田佳彦の決断であると受け止めた。最後は歴史的大敗を喫し、庶民派宰相は舞台を降りた。

  • 総理大臣 野田佳彦
  • 官房長官 藤村修
  • 財務大臣 安住淳
  • 外務大臣 玄葉光一郎
  • 在任期間 452日

 

民主党の失敗とは

失言が問題だったのか?

『失言』という単体で見れば、麻生内閣の

  1. 麻生太郎 総理大臣
  2. 中川昭一 財務大臣
  3. 中山成彬 国土交通大臣
  4. 鳩山邦夫 総務大臣

というカルテットもなかなかのものである。金田勝年・稲田朋美コンビもなかなかのものだ。しかし、民主党は失言ということを問題にされたわけではない。

口蹄疫、尖閣問題をめぐる東京都の対応、あるいはTPPなどに対する対応で、経験不足とガバナンスの不足を露呈したことだ。

 

経験不足の内閣 

民主党政権の失敗は『経験不足』という言葉に尽きる。

民主党政権には、沢山の理想があった。子ども手当・政治主導・コンクリートから人へ。しかしその理想の多くは全く機能しないか、部分的に麻痺していた。

よりそれらをチャンクダウンすれば、「党内意思決定システムが機能しなかった」「官僚との関係構築に失敗した」などという言い方もできるのかもしれない。しかし、それらも含めて全ては『経験不足』である。

 

官僚との関係構築に失敗したのは内閣を作ったことがなかったからだ。ガバナンスが不足したのは、大量の一年生議員をコントロールする術を執行部が知らなかったからだ。マニフェストが実現しなかったのは、誰も本当に実現するようなマニフェストを書いたことがなかったからである。(もちろん、それは政権運営の失敗の免罪符足り得るものではない)

 

寄せ集めのガラス細工の党に、更に政治など何も知らないような一年生議員が大量に入り、彼らの多くは執行部ではなく小沢一郎に付き従った。それはすなわち、優秀で党のカラーに染まった政治家を育成するほどの余裕が民主党になかったからである。 

経験で選ぶなら自民党

さて、この国には経験が豊富、というより戦後一貫して半一党制を敷いてきた政党がある。

当然、経験不足を忌避するのであれば、選択肢は一つしか無い。そうしてこの国のかたちは、五五年体制以降、六〇年間作られてきた。

 

議会政治はどうあるべきか?

問題は、民進党批判を繰り返す議員や著名人の中に、日本の議会制民主主義がいかにあるべきかというビジョンが皆無であることだ。

戦後一貫して、自民党は党内で抗争を繰り返し、擬似的な政権交代をすることでパワーバランスを保ってきた。しかし、小選挙区制の中でそのような手法はもはや通用しなくなっている。

 

「自民党内の穏健左派が割れればいい」なんていうのは寝言に近い。骨の髄まで日本の社会システムに染まっており、二度と政権を手放したくないと怯えている与党議員が自民党を割れるわけがない。

事実、民進党の方がどんどん割れ、松本剛明や山口壮や長島昭久が離党している。これは利権がないからである。

 

「加藤の乱」で失脚した加藤紘一は、あの史上最も人気のない総理である森喜朗にすら勝てなかったのだ。

 

民主党の今後、日本の政治の今後とは

民主党/民進党が経験不足を露呈した(というのも変な話だが)今、自民党は永久に与党であるべきなのだろうか?

いつか経験豊富で現実的な野党があらわれるのだろうか?

 

我々には手札がない。そしてその手札がないのは、日本人が唯々諾々と六十年間も自民党に投票し続けてきたから、「経験豊富な野党」が存在しないという点にもある。

これが、女性議員が世界最低レベルに少なく、世襲議員が世界最高レベルに多い日本の議会のあり方である。それはおそらく国が滅びるまで変わらないだろう。

 

派閥政治が崩壊した今、利権は集中し、権力は集中し、それに従う議員ばかりになるだろう。議会は機能不全に陥り、珍妙な答弁も支持率には影響しない。

取り立てて気の利いた結論はない。現実とはそういうものだ。

 

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