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読む国会

国会・政治をわかりやすく解説するメディア

井坂信彦衆院議員(民進党)の Instagram は芸が細かい

Instagram を使う政治家はまだまだ少ないが、井坂信彦議員は真面目な写真を加工して使われているので、いつも、芸が細かい…!と思う。

 

委員長に詰め寄り国会も緊迫

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委員長と与党理事が委員会と理事会の冒頭に謝罪し、野党が介護の質疑を追加で4時間行うことを受け入れ、国会は正常化。
報道が間違っているのは、「議題と関係ない質疑はルール違反」でも何でもなく、与野党とも日常的に行なっていること。
実際に先週の介護保険法審議で、ある自民党議員は、持ち時間の7割を介護と全く関係ない質問に費やしている。
今回の介護保険法について、我々は議員立法で総合的な対案をつくり、政府案との同時並行審議にこぎつけ、最も建設的な形で真面目に介護の議論をしていたが、最近の国会は与党が些細なことで逆ギレして荒らしてくる異常事態。
森友学園をわずか8分質問したことが気に食わないからと、事前に提案すらしていない採決を強行するのは、過去に例のない「超・強行採決」。
普通なら数日は国会が止まる案件だが、北朝鮮情勢が緊迫する中、与党の暴走で国会を止める訳にも行かない。

 委員長に詰め寄る井坂信彦議員。ばっちりフィルターがかかっている。周りが少し暗くなり、ご自身にスポットライトが当たるようになっている。

 

ビートルズ風の構図

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このままでは将来の年金は3割カットされるが、政府にその危機感は全くなし。
今回の年金カット法案では将来世代の年金は増えず、何の問題解決にもならない。
財源も含めた抜本改革をするしかないのに、政府は改革の議論すらしない。

一枚で今の国会が分かるように編集しながら、フィルターも忘れない井坂信彦議員。芸が細かい。 

 

大臣と対峙する後ろ姿

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公務員給与について、山本公務員制度担当大臣に質疑。
大臣も「人事院勧告がある限り、5年を超えるような公務員給与カットはできない」と答弁。
人事院を廃止して初めて、国の財政状況に応じた給与決定ができる。

山本大臣に詰め寄る井坂議員。フィルターも相まってかっこいい。

 

石破茂議員と対決

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昨日今日と3つの委員会で質疑。
「規制緩和をやりたい」とアイディアを出した市は特区に選ばれず、既存の特区内の市だけが、その規制緩和を許される矛盾。
石破大臣も「釈然としない、変だと思う」と答弁。

格闘ゲームのようなコマ割りの井坂信彦議員と石破茂大臣(当時)。かっこいい。

 

フォースとともにあらんことを

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長年お世話になっている同じ名字の先輩が、三宮北口にスターウォーズだらけのBARをオープン。ファンは行くべき!

 ジェダイのポーズを取る井坂信彦議員。もちろんフィルターはかかっている。

 

 

最後に

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井坂議員は、兵庫・神戸の衆議院議員であり、誠実な人柄と質問力で知られている。

行政改革を専門とされており、花形の予算委員会にも度々登場するので、注目してみてはどうだろうか。

 

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政治家の失言は「政権のゆるみ」ではなく、「本音の吐露」だ

政権のゆるみ、という謎ワード

東京新聞の記事より

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 今村雅弘復興相が東日本大震災の被災者らを傷つける発言をして辞任した。事実上の更迭だ。今村氏に限らず、このところ閣僚や政務官の暴言や醜聞が相次いでいる。安倍政権の「緩み」は深刻だ。


 問題の発言は二十五日夜、今村氏が所属する自民党二階派パーティーでの講演で飛び出した。
 今村氏は東日本大震災による社会資本などの被害額を二十五兆円とする数字を紹介し、「まだ東北であっちの方だったから良かったけど、これがもっと首都圏に
近かったりすると莫大(ばくだい)な、甚大な被害があったと思う」と述べた。 

 

「ゆるみ」ってなんだ

閣僚が失言すると、「ゆるみ」というワードが新聞を賑わせる。その言葉は、「今緩んでいるからもっと気を引き締めろよ」というようなニュアンスを含んでいるのだろう。

しかし、この「ゆるみ」というワードは、率直に言って理解しがたい謎ワードである。

 

東北でよかった、という今村雅弘復興大臣の発言

今村発言の詳細

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今村発言の問題は「ゆるみ」ではない

今村雅弘復興大臣の発言が「ゆるみ」であり、「ゆるみ」をマスコミが問題にしているのであるとすれば、彼らが問題にしているのは今村雅弘復興大臣の内面ではなく、外見的な取り繕い方である、ということになる。 

「東北でよかった」という「本音」を口にしたことが問題なのであり、本音は建前の裏にしまっておくべきで、それができなかったのは緩んでいるということだ…彼らの主張はこういうことだろうか。

しかし、今村雅弘復興大臣の発言の問題は「ゆるんでいた」ことではない。

安倍総理大臣、あるいは政府が、東北の復興を目的とすべき大臣に、「まだ東北でよかった」と口にしてしまうような人物を任命してしまったこと、そのものではないだろうか。

日本全体で見れば、首都直下型地震の経済的損失は、東北で起こった東日本大震災よりも少ないかもしれない。例えば経済産業省や、内閣府であれば、そういったマクロな視点で物事を見ることが必要なときもあるだろう。

しかし、彼は復興大臣だ。東北の復興を目的として、それを専任でやる国務大臣だ。そのような人間が口にする言葉としては「東北でまだ良かった」は最悪のものではないだろうか。

本音をポロッと漏らしてしまったことが問題なのではない。そのような基本的姿勢を維持するような人間が復興大臣になってしまったこと、それ自体が問題なのであり、「そんなこと口に出しちゃいけないじゃないか、緩んどるな」という種類の話ではないはずだ。

思っていないことは口には出せない。今村大臣は東北と東京を比較し、東北でまだましだった、という思考を持っていたはずだ。

 

テロ等準備行為だ、という土屋正忠衆院議員の発言

もう一つ、触れておきたい記事がある。

東京新聞の記事より

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 「共謀罪」法案を審議した二十一日の衆院法務委員会で、法務省の林真琴刑事局長の席に詰め寄った民進党議員に、自民党の土屋正忠理事が「テロ行為だ」とヤジを飛ばしたとして、民進、共産両党が抗議した。

 

共謀罪の根幹を揺るがす土屋発言

共謀罪(テロ等準備罪)における土屋正忠議員の発言である。共謀罪法案の根幹を揺るがす発言だ。

単なる冗談や軽口ではすまない。

この発言によって、土屋議員が、内心では「テロ等準備行為」という言葉そのものが、自分たちにとって都合の悪いことを潰す、言論に対する脅しとしての要素を持っている、と認識していることが明らかになったからだ。

これは曲解ではない。思っていなければこの種の軽口は出ないだろう。都合の悪いことを潰すために「テロ」という言葉を使っているのではないか?という疑念は、全く解消されていない。

 

失言はゆるみである、というのは、本音でそう思っていることを容認しているということ

ゆるみではなく本音だ

 

時事通信の特別解説委員である田崎史郎氏も、このように発言している。

今村さんは全然気持ちが寄り添っていない。でも、政治家は寄り添っているふりはしなければいけないんです

(2017年4月26日 「ひるおび」より)

結局、政治家は「ふり」が出来ればいいのだろうか?

本音では東北はどうでもいいと思っていても、「ふり」が出来ればそれで大臣としては合格、ということになるのか?

だとすれば、復興大臣というポストもまた「寄り添っているふり」だということにはなるまいか。

 

 

「東京より東北が震災にあったほうがまだ良かった」

「民進党がこそこそ打ち合わせをしているのはテロ等準備行為だ」

そのような姿勢・人品そのものが問題であり、議員としての資格を問われるものだ。

大臣に関しては、任命してしまった責任も免れ得ないだろう。

 

マスメディアは、即刻「ゆるみ」という言葉を使うのをやめるべき

「ゆるみ」という言葉を使ってしまうことによって、まるであたかも議員が執行部の言いつけを守れないことが問題であるかのような論調になり、もっとも重要な資質の問題や、首相の任命責任はどこかに行ってしまう。

国務大臣というのは、失言をしなければいいわけではない。人間的に的確であるかを常にチェックされ、監視されるべき立場にいる。失言そのものではなく、その裏にある人品をこそ問題にしなくてはいけない。

マスコミは、二階発言に恫喝されることなく、

  • なぜなるべきでない人間を復興大臣に任命してしまったのか?
  • 本当にテロ等準備罪はテロを予防することを目的とされているのか?

このような論点を、きちんと主張し、発信していただきたい。

ロナルド・レーガン。アメリカ大統領史上に残る、最強の演説家

Tear Down This Wall(この壁を打ち壊しましょう)

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We welcome change and openness; for we believe that freedom and security go together, that the advance of human liberty can only strengthen the cause of world peace.

我々は変化と開放を歓迎します。 自由と安全は共に、世界をより平和にすると信じています。

 

There is one sign the Soviets can make that would be unmistakable, that would advance dramatically the cause of freedom and peace.

ソビエトが、自由と平和のために出来ることが一つあるのです。

 

General Secretary Gorbachev, if you seek peace, if you seek prosperity for the Soviet Union and eastern Europe, if you seek liberalization, come here to this gate.

ゴルバチョフ書記長。平和を求めるならば、ソ連と東ヨーロッパの繁栄を求めるなら、自由を求めるならば、この門の前に来てください。

 

Mr. Gorbachev, open this gate. 

ミスター・ゴルバチョフ、この門を開いてください。

 

Mr. Gorbachev, tear down this wall!

ミスター・ゴルバチョフ、この壁を打ち壊すのです。

レーガンの最も有名なスピーチはこれだろう。 

 

アメリカ最強の演説家

歴史に残るパワースピーカー

アメリカ大統領の中から、歴代の名演説家を三人上げるとすれば…。おそらくリンカーンは入るだろう。後は誰だろうか。オバマ、ケネディ?

しかし、たった一人だけ上げるとすれば?と言う問いならば、ロナルド・レーガンの名前を上げる人が最も多いのではないだろうか、と思う。

冒頭に貼ったのは、最も有名な "Tear Down This Wall" スピーチである。声の抑揚、語り口、全てが演説としては完璧ではないだろうか。

 

戦後最強の大統領

レーガンという人は、戦後アメリカ大統領としては最強の大統領である。

ハリウッドのB級俳優はカリフォルニア知事になった後、史上最高齢の大統領になった。1984年の大統領選挙ではウォルター・モンデールに史上空前の圧勝。り、暗殺事件をもくぐり抜けて、支持率は最後まで衰えることがなかった。

レーガンという人は、あ失わゆくアメリカを体現しているような人だった。まるで、B級西部劇の世界から抜け出してきたように。粗野で、男らしく、保守的で、「強い男」であった。

そして、その支持率を支えたのが、彼のスピーチである。

 

どんな時も忘れないユーモア

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ご存知のように、ソビエト連邦で車を手に入れるには10年かかります。 そのために、事前にお金を払っておくのです。

 

ある男がいて、お金を払ったんです。担当者は彼に言いました。

「オッケー。じゃあ10年後に来て、車を受け取ってください」

 

 男は答えました。

「朝か午後、どちらですか?」

 

カウンターの後ろから、別の担当者がいいました。

「10年後だぜ。どっちだっていいだろ」

 

 そして、彼は言いました。

「朝は配管工が来るんです」

レーガンの政策を支持するかは別にして、彼が最もウィットに富んだ大統領であったことに同意しない人はいないだろう。

何しろ、自分が銃撃されたときですら、執刀する医師に「君が共和党員であることを祈るよ」と言ったのだから。

彼は常にユーモアを忘れず、どんな時も明るかった。

 

人の心を打つ名演説家、それがレーガン

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チャレンジャー号の爆発事故、というアメリカ史に残る悲劇に際して、レーガンのスピーチは、多くの人の悲しみに寄り添いながら、隊員を賞賛する素晴らしいものだった。

On this day three hundred and ninety years ago, the great explorer Sir Francis Drake died aboard ship off the coast of Panama.

390年前のまさにこの日、偉大な探検家であるサー・フランシス・ドレイクは、パナマの海で亡くなりました。

 

In his lifetime the great frontiers were the oceans, and a historian later said, "He lived by the sea, died on it, and was buried in it"

彼の時代、最大のフロンティアは海でした。後に歴史家は「彼は海で生き、海で死に、海で埋葬された」と語りました。

 

Well, today, we can say of the Challenger crew: Their dedication was, like Drake's, complete.

今日、チャレンジャー号のクルーは、ドレイクのように、その献身を終えました。

 

The crew of the space shuttle Challenger honored us by the manner in which they lived their lives.

彼らは、その生き方によって我々に名誉を授けたのです。

 

We will never forget them, nor the last time we saw them, this morning, as they prepared for their journey and waved goodbye and "slipped the surly bonds of earth" to "touch the face of God."

私達は決して忘れないでしょう。私達が最後に彼らを見たときのことを。旅の支度をして、手を降って別れを告げ、この無愛想な惑星から滑り落ち、神の御顔に触れたことを。

 

日本語訳でレーガンについてのわかりやすい書籍はこれくらいだろうか。よくまとまっている。

レーガン いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書)

レーガン いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書)

 

レーガンのような大統領は、もう二度と現れないのかもしれない。経済での失政は後に双子の赤字として尾を引くのだが、それは些細な事だ。冷戦という困難な時期だからこそ、必要とされ、愛された大統領だった、と言えるだろう。

トランプがレーガンを目指そうとしても無駄だろう、彼は特別な男で、特別な大統領だった。

加計学園と森友学園を巡って、政府が答えるべきたった二つの質問

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かねてより、行政府はこの問題に対して、すべての証拠と記録を国民のもとにオープンにし、かつ説明責任を果たさなくてはいけない、と書いてきた。

民主主義の最低条件は、(外交や防衛などを除いて)全てのプロセスがオープンになり、政府が適切な説明責任を果たすことである。

では、政府が果たすべき説明責任とはなんなのだろうか?

  • 森友学園の問題に対しては「なぜ大阪音大ではなかったのか?」
  • 加計学園の問題に対しては「なぜ京都産業大ではなかったのか?」

重要なのは、この二点だ。これに答えるだけでもいい。しかし、未だ政府の側から納得の行く説明は出ていない。

 

なぜ大阪音大ではなく、森友学園だったのか?

森友学園 国有地問題 7億円購入断念 12年、大阪音大

森友学園に売却された大阪府豊中市の国有地について、同市の大阪音楽大学が2012年に7億円で購入する意向を国側に示していたことが分かった。価格面で折り合わず売買は実現しなかった。

 

森友学園は13年9月に同じ土地の取得を正式に国に要望。16年6月、ごみ撤去費など8億2200万円を減額した1億3400万円で購入した。ヒアリングで、財務省理財局は「(売買の打診があった当時)8億のごみは見つかっていなかった」と説明した。

森友学園の問題については、既に森友学園の前に、大阪音大が七億円の金額を提示していた。しかし、この際には金額が折り合わず諦めることになった。

ところが、森友学園の要望が出た途端、今まで見つかっていなかったゴミが見つかり、減額されることになったようだ。

もし仮にこれが本当であったとすれば、なぜ、大阪音大が要望した時に土地を調査すらしなかったのだろうか?調査していなかったけど見つからないレベルのゴミだったのか?

もし仮に大阪音大の時に、八億円も減額するレベルのゴミを見落としていたとすれば、それはそれで大きなスキャンダルである。意図的に情報を隠していたということになるからだ。

そうでないとすれば、そんなクリティカルなゴミを見逃すとは、どんな調査を行っているのだ、ということになる。

 

なぜ京都産業大ではなく、加計学園だったのか?

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京都産業大学獣医学部設置構想について

木内孝胤議員 存在しない地域に、ということで、空白区に限定しているわけであります。三校が提案しているところで、京都産業大学を締め出すようなルールの変更をしたのか、理由についてお聞かせいただければと思います

山本幸三大臣 いまご指摘された事項は、いずれも慎重な意見が根強い中で、いち早く規制緩和を実現するために定めていったものでありまして、そういった批判は当たらないと考えております。 

 

木内孝胤議員 京都産業大学は1989年に生物工学科を設立して、2006年に鳥インフルエンザセンターを設立、2010年に動物生命医療学科を設立しています。京都という地の利を活かして、iPS細胞との連携もしている。

今から設立を目指しますという学校と、これだけ出来上がっていて、設立場所も決まっている学校。パンデミック対策はとても大事なんです。ここまで不可解な形で京都産業大学が締め出されているというのは、全く説明責任を果たしていないと思っています。

今治市における国家戦略特区に関しては、「一校だけ」「獣医学部がない場所」という極めて限定的な規制緩和を行った時点で、恣意的な運用がなされているのではないか?という疑念が生じる。

そして、なぜ今治に?という疑問に対して、納得の行く説明はまったくない。

 

さらに、広島・今治は「観光・教育・創業などの国際交流・ビッグデータ活用特区」である。獣医学部とは何も関係がない。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/dai18/shiryou2-1.pdf

そもそも、「一校だけ」、しかも四国という限られた地域に付与するとなれば、以前から何度も申請してきた加計学園くらいしか申請できないというのは予期できるだろう。

そうすると、これは特区というより特定の学校法人に対する利益供与でないか、とすら疑われる。

だからこそ、「なぜ京都産業大学ではなかったのか?」という疑問に対して、政府は明確に答える必要がある。

 

政府は明確な判断の理由を説明すべき

「なぜAでなくてBであったのか」その理由を国民に伝えるのが説明責任である。説明責任とは公平性の担保の最低条件だ。

だから、行政では細かい発注でも、一定金額以上なら指名競争入札を行う。それでも未だに、随意契約や特定随意契約などで、癒着や談合は問題になる。

決定プロセスが閉鎖的に行われれば、そこには(意図的であるかは別にして)談合や癒着が発生する。自由に発注できるなら知り合いや友人に発注したいと思うのが人情だろう。

しかし、億単位のレベルで、しかも堂々と総理大臣の知己や、総理夫人の友人に対して、このような不可解な形で便宜が図られているのは驚くべきことだ。

 

森友学園や加計学園の問題とは、実は極めてシンプルである。「なぜその選択をしたのか」ということを行政が説明すればいいだけだ。我々国民は、もしそれが出来ないなら汚職事件だ、と判断するほかない。なぜなら、それが説明できる形で行政を執行するのもまた、政府の責任だからだ。

例えば、随意契約にして「いや、公平に一番いいところを選んでいますよ」と言われたら立証しようがない。

だから、行政のルールは可能な限り公平性や透明性を担保する形で入札しよう、となっているのだ。立証しようがない形で契約をしてはいけない、というのは大前提である。

重ねていうが、説明責任を負っているのは政府である。説明責任が果たせない形で特定の事業者に便宜が図られていれば、それは汚職である。

 

王政化する日本

民主主義とは、権力を集中させないよう、かつ恣意的に権力が使われることを避けるための仕組みである。あくまで総理大臣は、国民から権力を付託されているだけであり、その権力は国民に対してオープンな形で行使されなくてはいけない。

しかし、残念なことに世襲制の日本政治においては、国民から選ばれて権力が付託されるという色彩よりも、議員や政治家に選ばれた人間が権力を継承する、という色彩のほうが強い。

 もし仮に、安倍総理大臣の権力が国民の付託のもとにあるのではなく、一部政治団体や自分の一族、あるいは党内のパワーバランスなどによって付託されているとすれば、国民に対して説明責任を果たす必要はないだろう。

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この動画を見ると、安倍総理大臣からは、国民に意思決定プロセスを説明し、アカウンタビリティを担保するという意識は見受けられない。そこにあるのは、国会においてなお、自分の友人を擁護しようとする一人の男性の姿である。

 

公平性のない国家は必ず崩壊する。誰もチェックしなければみんなが勝手に金を使うからである。権力者のお眼鏡にかなった一部の人間だけが肥え太り、国民は貧しくなっていく。

公平な国家を未来に残すために、我々一人一人が、この奇怪な状況に対して声を上げ続けなくてはいけない。

 

関連記事

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審議拒否を無くす方法 - 野党が提案すべき国会改革とは?

野党の審議拒否に関する抵抗感が、かつて無いほど高まっている。

とはいっても、(何度も書いてきたように)日本の野党は現実的に法案を廃案にするには、審議をしないことしか手段がないのが現状である。

その手段を奪ってしまうことは、過剰に行政府の執行機能のみを肥大化させるだろう。

 

ただ、本来、審議拒否というのはやはり野党のあり方としては正しいものではない。だからこそ、制度そのものを変える、国会改革が必要なのだ。

 

実は、簡単に野党の審議拒否を無くす方法がある。それは、通年国会を導入することだ。

 

通年国会とは?

簡単にいえば、一年中開いている国会

国会には「会期」というものがあり、通常国会は150日が会期となる。会期延長には制限があるため、そのリミットまで法案成立を引き伸ばすことができれば野党は法案を廃案に追い込むことが出来る。

この会期をそもそも無くしてしまい、常に国会が開いている状態にすれば、野党は審議拒否という戦術を取っても廃案に追い込める可能性がなくなるため、会期引き伸ばしを目的とした審議拒否はなくなる。

実は、通年国会自体は民主党政権時代に国会改革案の一つとして提案されていたし、それ以前から河野太郎衆院議員や細野豪志衆院議員、泉健太衆院議員など、国会改革を旗印にする若手議員からは要望書が出されていた。

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実はずっと前からある話だ。

 

 海外はどうなっているの?

一年の中で何度も会期末を迎える国というのは珍しい。というより、ほとんど無いと言ったほうがいいだろう。ほとんどの国は任期までが会期か、1〜2年をベースにしている。

国立国会図書館 欧州の主要な会期制度

なぜ日本の国会制度がこのような形になったのかは、率直に言うとよくわからない。おそらく、国土が縦に長く、インフラが壊滅した戦後日本で通年国会を行うと地元に買える時間がなくなる、という当時の判断ではなかったのかと推測するが。

 *帝国議会からの名残というコメントを頂いた。ワイマール憲法を読むと、特別国会が憲法に規定されているので、ワイマール議会も似たように回帰性であることが推測される。(きちんと調べていないが)その影響があったのではないか。

 

 

 

現状の会期制度は、ねじれ国会の際には一定の影響があるものの、ねじれがないときには、審議拒否も実際的な意味を持たない。つまり、通年国会にしたところで現状の与野党の力関係が大きく変わることは今のところないだろう。

しかし、制度上政府与党に有利になりすぎている点を、修正すべきだと考えている。

 

真の国会改革のために

党議拘束の緩和

日本は世界でもまれに見る党議拘束大国である。イギリスを含め諸外国にも党議拘束があるが、日本のように全ての法案を縛るわけではなく、特に閣内に入らないバックベンチャーには一定の裁量が与えられている。

(その辺は、篠原孝議員のブログに詳しい)

しのはら孝blog: 党議拘束違反で分裂、離党の大騒ぎは日本のみ―アメリカに党議拘束などなく、ヨーロッパ諸国には造反者への処分もなし― 12.07.17

全ての法案で造反者が出るとそれはそれで大変なので、例えば予算案など特に執行の遅れが許されないもの以外に、と言うかたちでまずは段階的に党議拘束の緩和を進めるべきだと考えている(法案で出せるかは難しいところだが)

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(そうすれば、般若心経を唱える議員も居なくなるはずだ)

そもそも、答弁というのは説得行為であるのにもかかわらず、必死で話しても誰も聞かないで寝ているのは白けるだろう。

 

一括審議の廃止、対案に対する個別審議を行う

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 「対案提出」について、現状では難しいという趣旨の記事を書いたが、これを変更するのに妥当な方法は、一括審議の廃止である。

通常、与党が提出した法案に野党が対案を出すと、それらは一括して議題に上ることになる。そうして、審議されることなく、賛否も明らかにされず吊るされたまま採決されることになる。

まるごと一括で法案を提出するという与党の戦略を、まずやめるべきだ。

例えば、野党提出の法案に関しては個別の議題とし、それらに関しては与党議員が質問に立って問題点を洗い出すなどとすれば、今より遥かに野党の法案提出に関する意欲も上がり、また国民のもとに二つの案のどちらが良いか、ということを考えさせる機会になる。

 

解散権の濫用を禁ずる

また、これまで濫用されてきた解散権も、より抑制的に使われるべきだ。日本ほど頻繁に解散が行われる国は少ない。だから一時期はコロコロ総理大臣が変わったのだ。

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これは、基本的には政権与党に有利なことである(好きな時に選挙が出来る)

例えば、イギリスでは2011年に Fixed-term Parliaments act(議会任期固定化法案)を成立させ、議会の圧倒的多数の賛成がない限り、与党が勝手に解散することは出来ないようになった。(まあ、とはいっても今度解散するのだが)

基本的には、ある政党が衆院で信任されれば、四年間のスパンを最低限与えるべきだと考えている。近視眼的に見るよりも、四年くらいで考えたほうが、よほど政策もブラッシュアップされるはずだ。

また、候補者にしても、いつ解散があるかわからなければ、いきなり仕事をやめることになる。参院のように、特定の選挙に合わせて仕事を片付けられるようにしたほうが、室の高い人材が集まるはずだ。

解散権を抑えて、かつ通年国会を導入すれば、より息の長い議論が国会で行われるようになるのではないか。

 

党首討論の常設化

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イギリスの議会についての記事でも述べたが、イギリスでは党首討論は常設であり、かつ党首同士が火花を散らす、極めて重要な機会である。

日本でも、正々堂々党首討論を毎週でも開いて、そこで国民の信を問えばいい。

 

まとめ

  • 通年国会の導入
  • 党議拘束を緩和
  • 野党の対案を個別の議題に
  • 解散はもっと抑制的に
  • 党首討論の常設化

 

これだけ導入すれば、審議拒否もなくなるし、より充実した国会になるはずなのだが、いかがだろうか。

審議拒否というのは格好の良いものではないし、国民のためになるものでもない。

だからこそ、与野党と国民のために制度を変える必要がある、というのが本稿の結論である。